忘却の勇者
無論、判決は死罪。
そして明日、サイの裁判が行われる。
オレオも明日の裁判に出席する。
サイがもし暴れだした時の対抗手段として、和の国から直接呼ばれたのだ。
最悪手を下しても構わないと言われていたが、全てを知ったオレオにそのようなことが出来るわけがない。
「このまま裁かれるのを待っているんですか?」
魔王復活計画に携わっていないのに。何も知らなかったのに。寧ろ自分を助けてくれたのに。
世間は誰も信じてはくれない。
魔王を仕留め“英雄”となったオレオの言葉でさえも届かないのだ。
「今回の騒動は四聖官が独断で行ったとされている。それは事実であり、知らなかったとはいえ私も少なからずその計画には加担していた。罪を問われても文句は言えない」
「でも……!」