忘却の勇者
それに生き残りがこんな少年では、驚かないほうがオカシイ。
「それじゃあ、お前が旅をしてる目的って……」
コーズの問いに、オレオははっきり答えた。
「お察しの通り、僕は魔王を倒すために旅をしてる」
オレオはニッコリと微笑んだ。
驚いたのは最初だけだった。
勇者だろうがなんだろうが、オレオがオレオであることは変わらない。
コーズは潔く納得して、これまでの経緯を黙って聞いていた。
一通り話し終えると、コーズが口を開く。
「なるほどな。そんで今は魔王の情報を集めてるってわけか」
「うん。魔王の居場所が分からなければ、対策の打ちようもないから。出来れば弱点なんかも知れれば嬉しいけど」
「弱点ねぇ。一番手っ取り早いのは、魔王との戦闘経験がある奴に話を聞くことなんだけど」