忘却の勇者
少女の決意
そんなこんなで話が解決するわけがなく夜を迎えた。
精神支配の魔法から解かれたとはいえ、まだ肉体と精神が完全に回復したとは言いがたい。
コーズはすぐに寝つき、オレオは一人リビングでホットコーヒーを口にしていた。
砂糖とミルクがたっぷり入ったコーヒー。味覚もまだまだお子ちゃまだ。
どうしても寝付けなくて窓から三日月を眺めていると、ふいに足音が聞こえてきた。
こちらに近づく。オレオは音のする方へ顔を向けると、足音の主は毛布を肩にかけたミウだった。
「寝てなくちゃ駄目だよ。まだ体力が回復してないんだから」
「分かってます。だけどオレオさんとお話しするのは今しかないと思って」
話とはなんだろう?
ミウは近くの椅子に腰掛けて、窓辺に立つオレオを見上げた。
月明かりがミウの顔を映し出す。
ミウはゆっくりと言葉を紡いだ。