忘却の勇者
朝食の香りに酔いしれるが、直後に後頭部に鈍痛が走った。
薄れ行く意識の中でコーズが見たものは、
「オレ、オ……?」
黒刀の鞘を握るオレオの姿だった。
ドサリと倒れると、オレオはひょいっと持ち上げて椅子に座らせた。
彼の頭上にはお星様とヒヨコがクルクルクル。完全にイッている。
気絶したのを確認すると、オレオはミウに確認の言葉を投げかけた。
「本当にいいんだね?」
「はい。このままお兄ちゃんを連れてってください」
昨晩の回答はYES。
オレオはコーズと旅をすることに承諾した。
ミウのためにコーズのために。