忘却の勇者
だがコーズは旅に付いていくこと事態は自分から進んで望んでいたが、それはミウと一緒というのが条件。
ミウを置いてコーズだけを連れて行くのは、天性のシスコンである彼からしたら考えられないことだろう。
オレオですらミウを一人にするのを躊躇ったのだ。コーズがこの案に乗るはずがない。
というわけで強行突破。
「だからって、なにも気絶させなくてもいいじゃないかな?」
「お兄ちゃんのシスコンぶりは異常ですから、無理にでもことを進めないといけないんです」
さらりとひどい事を言う。
確かにこの子なら一人でも大丈夫だ。
オレオは苦笑しながらそう確信し、コーズの服を着替えさせた。
ミウが用意した生活用品を、指に嵌めた異次元指輪(ディメンションリング)に吸い込ませる。
コーズの持っていた魔具と同タイプの代物。形状は指輪だが、質はコーズの物よりずっと良い。