忘却の勇者

だがコーズは旅に付いていくこと事態は自分から進んで望んでいたが、それはミウと一緒というのが条件。


ミウを置いてコーズだけを連れて行くのは、天性のシスコンである彼からしたら考えられないことだろう。


オレオですらミウを一人にするのを躊躇ったのだ。コーズがこの案に乗るはずがない。


というわけで強行突破。


「だからって、なにも気絶させなくてもいいじゃないかな?」


「お兄ちゃんのシスコンぶりは異常ですから、無理にでもことを進めないといけないんです」


さらりとひどい事を言う。


確かにこの子なら一人でも大丈夫だ。


オレオは苦笑しながらそう確信し、コーズの服を着替えさせた。


ミウが用意した生活用品を、指に嵌めた異次元指輪(ディメンションリング)に吸い込ませる。


コーズの持っていた魔具と同タイプの代物。形状は指輪だが、質はコーズの物よりずっと良い。
< 80 / 581 >

この作品をシェア

pagetop