紅の月〜Be Cool Color〜
始まり
それはある月夜の晩だった。
産声が聞こえ一人の赤子が生まれた。
男の子だった。

その日の月の色は真っ赤に染まっていた。
不吉な紅色、血のような色、呪い…

赤子の誕生をよそに人々はそんなことを考えていた。

ここは名の知れる財閥の家、耶雲家(やくも)。
後継者が必要なこの家で男の子は喜ばれた。

それも一瞬だった。

生まれた赤子の瞳は真っ赤だったのだ。

呪われた赤子…
誰もがそう思った。
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