僕らのお姫様
写真立てを元あった場所に戻し、部屋を出た。

階段を降りてリビングヘ向かうとカウンターキッチンで母さんが朝食の準備をしていた。

「あら、東亞。おはよう、休みなのに早いわねぇ?」

「はよ。西都のケータイに起こされたんだよ(T"T;)」

「あらまぁ、それはご愁傷様。で、西都は?」

「寝直すってさ。(T"T;)」

「あらあら、それで東亞は朝から不機嫌顔なのねぇ。」

「……。(T"T;)」

「せっかくかっこよく育ったのに眉間のシワが跡付いちゃうわよ?」

母さんは指先で俺の眉間をツンッと突く。

「…ほっといてクダサイ(T"T;)」

母さんの指先を眉間から払い、冷蔵庫から麦茶を取り出しコップへ注いでソファーへ座る。

テーブルの上に置かれたリモコンを手に取りカチカチとチャンネルを適当に変えた。

ピッ

『新内閣の支持率低下のー…』

ピッ

『ジョアンナさん宅の朝ご飯はー…』

ピッ

『プリ●ュア参上っ!!』

ピッ

『昨日のカメルーン戦をハイライトでお送りしますー…』

「あ、FIFA。」

テレビを観ていると玄関の方から騒がしい声が聞こえてきた。

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