かさの向こうに縁あり
少し小柄な体型のわりには、意外と強気で3人の男性の相手をしている。
とはいえ、相手をしているのは、今鍔迫り合いになっている一人だけ。
両脇の二人は息を呑んで見守っているだけだ。
勝てるはずもない相手だと悟ってか、弱腰で挑んでいるような気がする。
何故なら、私にもこの背を向ける男性の強さが何となく分かるから。
「絶対に驚かないでよね!」
「ぐっ!」
刀に力を込めて、背を向ける男性が相手を飛ばした。
刀を下に持って、飛んで倒れた男性の所にゆっくりと近寄り、その男性の顔を身をかがめてじっと見つめる。
そして口を開いた。
「新選組八番隊組長、藤堂平助なり」
そういうなり、にやりとした。
まるで勝ち誇るように。
それを見た相手や私の両脇にいた二人の男性は、怯えるようにして逃げていった。
「驚かないって言ったくせに」
三人が逃げるのを確かめ刀を鞘に納めながら、『藤堂平助』という人は私の方に微笑みながら歩み寄ってきた。
この人も丁髷を結い、刀を持ち、着物を着ている。
とはいえ、相手をしているのは、今鍔迫り合いになっている一人だけ。
両脇の二人は息を呑んで見守っているだけだ。
勝てるはずもない相手だと悟ってか、弱腰で挑んでいるような気がする。
何故なら、私にもこの背を向ける男性の強さが何となく分かるから。
「絶対に驚かないでよね!」
「ぐっ!」
刀に力を込めて、背を向ける男性が相手を飛ばした。
刀を下に持って、飛んで倒れた男性の所にゆっくりと近寄り、その男性の顔を身をかがめてじっと見つめる。
そして口を開いた。
「新選組八番隊組長、藤堂平助なり」
そういうなり、にやりとした。
まるで勝ち誇るように。
それを見た相手や私の両脇にいた二人の男性は、怯えるようにして逃げていった。
「驚かないって言ったくせに」
三人が逃げるのを確かめ刀を鞘に納めながら、『藤堂平助』という人は私の方に微笑みながら歩み寄ってきた。
この人も丁髷を結い、刀を持ち、着物を着ている。