かさの向こうに縁あり
ぼーっとしたまま食べていた。


昨夜から、考え事をずっとしているから、そのせいだろうか。


……ああ、そうか。

きっとそれだ、と遅く起きてしまった理由にようやく気づく。


そうだった。

昨日はあれから、「私はどうすればいいのか」という問いの答えを求めて、布団の中でも深く考え続けたからだ。


「平助が新選組を出ていく」ということから、ウェビングマップのように思案していったんだ。



平助が新選組を出ていく。

その先に私を連れていく気は、きっと彼には微塵もない。

だから私にはここに残ること以外、選択肢がない。


そこで私がついていこうとすれば、おそらく副長さんがただではおかないだろう。

どんな手段かは別として、そのまもなく私は処分される気がする。



そんなことばかり考えてしまって、考えても考えても、同じことばかりを繰り返しているだけだった。


何も答えなんて出やしない。

最善の選択なんてもの、この状況下では存在しない。



一体、私はこれからどうすればいいのかーー



答えは出ないと分かっていても、どうしてもそれを求めてしまう。

もう何をしていても、それしか考えられなくなっていた。


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