かさの向こうに縁あり
ご飯を食べ終わると膳を縁側に出し、そして食休みに、と畳に足を崩して座る。

足を伸ばし、手は後ろについて、天井を見上げる。



「暇だー……」



そうして何秒か時が過ぎるけれど、誰も来ないし、何もやることがない。

暇だ。それしか言えない。


ここに来て6日目、何もやることがないのは今日が初めてかもしれない。


どうせ誰もこの部屋を訪れないのだろうから、不意に、ただぼーっとするだけの1日を過ごしてみたくなった。

考え事を長時間していたためだろうか、頭が酷く疲れているから。



顔を正面に戻し、耳を澄ませてしばらく時が過ぎるのを待つ。


外は静かではなかった。

何か稽古のようなことをしているのだろうか、掛け声が響いている。


それを聞くうちに、だんだんと考えが変わってきた。


頭を休めよう、そう思っているのに、何故か私の頭は考えることをやめようとしないんだ。

やめた途端にまた考え始めようとしてしまう。

それに、この賑やかさでは、と。


だったら気分転換に外出しよう、ふとそう思った。


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