かさの向こうに縁あり
「一昨日も今日も朝起こしちまって、すまん!」



大声でそう叫んだ。

畳に頭がつくほど、頭を下げている……否、もうついている。


こんなことまでして謝ってくる男性は初めて見た。

思わず退いてしまう。



私が困惑していると、原田さんはゆっくりと頭を上げた。

真剣な表情すぎて、心の中でぷっと笑う。


彼はその顔で、意外な台詞を言った。



「お詫びと言っちゃなんだが、四人で遊ばないか?」


「お詫びになってないと思うんすけど」


「うるさい尾形!」


「尾関っす」



もはやこれは間違えるのが当たり前になっているみたいだ。


原田さんももう謝りもしない。

それさえも面倒になったんだろう……


一方で尾形さんは無表情で無反応。

よくその顔でいられるな、と思った。



『いいですよ 何しますか』



記号も使わずに、私はさっさとそれを紙に書き込んだ。



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