5センチの恋

そんな妄想ハレンチなあたしは、イチと迎えた朝。



眠りについたのは明け方で結局意識し過ぎてベッドから転げ落ちてしまったんだ。本当、台無し。


『朝ご飯作る』


とここで名誉挽回とばかりに言ったは良いけど冷蔵庫の中が見事に空っぽで、撃沈。
鏡に映ったのは化粧を落とさず寝たせいで酷い顔した自分。再び撃沈。

だけど、そんなあたしにイチは全くマイペースに

『飯、食いに行こう。俺奢ってやる』


とか欠伸しながら言った後、顔を洗ってヤケクソなすっぴん姿のあたしに、



『へぇ、おまえって、化粧してなくても可愛い』


とか。ズキュンな一言。

本当、頭くる。


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