5センチの恋
こんな時、思い出すのが、イチの香水の匂いだとか、嬉しい時一度目を逸らす癖だとか、低すぎない無愛想な声だとか。なんて、終わってる。
忘れられるかな、
あたしが?
イチを?
明日から普通の毎日が始まって、いつものように会社に行って、デスクワークに明け暮れて1日が終わる。
たまにイチと休日前に飲みにいくのが無くなるだけだ。今までだって、社会人になってからはお互い仕事もあるし、外資系の会社に勤めるイチは忙しそうだったから、1ヶ月くらい会わない事なんて普通だったのに。
“彼女”って存在が位置するだけで、こうも受け止め方が違ってくるなんて。