君はガラスの靴を置いていく




『別に俺じゃなくても他の男呼べよ』


悠里ならいくらでも遊んでくれる男は居るし、
わざわざ俺じゃなきゃ駄目な理由はない。


『私、男の人家に居れたくないんですよね。
なんかプライベート覗かれてる気がしません?』


『おい、言ってる事矛盾してるぞ』


確かにこの部屋からは男の匂いがしないし、普段から連れ込んでるならもっと男受けがいい部屋にするはずだ。


『先輩は私に興味がないからいいんです。
好意があると普段どんな生活してるんだろうとか、どんな部屋で寝てるんだろうとか無意識に見てしまうでしょ?』


『…………』


『そんな男達を家に呼ぶなんて気持ち悪いじゃないですか』


---------重症だな。
俺も人の事は言えないけど、ここまで屈折してねーよ。


悠里は少しずつ俺に近付き、座っている足の間に体を入れた。そして長い指で俺の頬を触っていく。


『先輩、彼女とまだしてないでしょ?
真面目な人と付き合うと大変ですね』


悠里の長いまつ毛が当たるぐらい顔が近い。その柔らかい指先が俺の理性を逆撫でしていた。


『悪いけど、俺セフレ作らない主義なんだよね』


『えー先輩と私っていつ友達になりました?』


『…………』


『セフレってセックスフレンド、つまりセックスする友達って意味でしょ?私と先輩は友達じゃないのでセフレにはなりませんよ』



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