君はガラスの靴を置いていく




悠里はそう言って、俺の首筋にキスをした。

最初は右、次は左と徐々にその位置を変えていく。


なんで頭と体は別物なんだろ。

頭では俺は浮気しない主義だし、面倒事になるのも避けたいと思ってるのに体が反応する。

そして17の俺が汚れた理性に打ち勝てる訳もなく、悠里と唇を重ねていた。


『あーぁ、どうしてくれんの。今からでも遅くないから俺の事突き飛ばしてくれない?』


『とか言って、私のボタン外す手は止めないんですね』


『お前が誘うからだろ。俺は何度も断ったのにさ』


思春期の男としては頑張った方だろ。
まぁ、結局誘惑に負けたけど。


『平気ですよ、私も彼氏居ますしお互い遊びですればいいじゃないですか。彼女さんに告げ口なんて絶対しませんから』


『女の絶対は信用しないって決めてるんだけど』


『はは、信用なんて元々した事ないくせに。先輩は私と同じ匂いがします。私達似てると思いません?』


『もう黙れ』


俺は悠里をそのまま押し倒した。

オレンジ色の照明と部屋に響く二人だけの音。悠里は何度も俺にキスをせがんで、その度に俺は応じた


確かに俺達は似ているのかもしれない。


悠里は俺とセフレ関係を求めている訳じゃなくて、ただの遊び、もしくは暇潰し。

ヤったからと言って特別な関係になる訳じゃなくて、普通に顔見知り程度に接する関係に変わりはない

普通の人じゃ理解出来ない感覚を持ってるから
俺たちは似てる。

だけど、それだけ。

似てる=惹かれるは違うから。



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