君はガラスの靴を置いていく
└悪魔と天使
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事が終わった俺はズボンだけ履いて、ベッドに寄りかかっていた。
あれだけ悠里の誘惑にはハマらない、こんなのに引っ掛かるのは馬鹿だって思ってたのに…………。
結局行為中は理性に負けて、そんなのどうでも良くなっていた。
『先輩、これどうぞ』
シャツ姿の悠里が持ってきたのはガリガリ君。
俺がコンビニで買ったアイスはとっくに袋の中で溶けていた。
『すっかり暗くなっちゃいましたね。
今日は泊まっていきます?』
悠里は冷たいアイスを舐めながら、俺の肩に体を預けた。
そのスラリと長い足が交差する度に、ベッドのスプリングが音を立てていた。
『いや、帰るよ。俺自分の布団じゃないと寝れないんだよね』
『はは、子供みたい。先輩って嘘つくの下手ですね。海の別荘で熟睡してたくせに』
悠里はよく笑う。
この人懐っこい所が男を惹き付けるんだと思う。
俺は悠里が持ってきたアイスを一口食べて、意外な質問をしてみた。
『ねぇ、清く正しい付き合い方ってなに?』