君はガラスの靴を置いていく




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次の日、急遽増田の用事で俺とまるは呼び出された。せっかく昼過ぎまで寝ようとしてたのに。


『なぁなぁ、俺に似合う服選んでよ!明後日デートなんだ。頼む!』

増田は合コンで知り合った子と水族館に行くらしい。水族館ってキャラじゃないけど、なんでもその子は今までのタイプとは違って清楚な感じなんだって


『別に洋服なんて何だっていいんじゃない?』

『ちょ、丸山っ』


まるもあまり乗り気じゃないみたい。

だって今日は36℃の猛暑日だし、街中の人混みは歩いているだけで体力がなくなる。


『いや、俺もちょっと路線を変えてみようと思って。宮澤みたいに』


『は?』


『千花ちゃんだよ!最近は清楚な子も有りかなぁと思って。やっぱり純粋な子が一番だよ』


なんで上から目線なのかがよく分からないけど。
増田が有りでも相手が駄目じゃ意味ねーし。


『とにかく、今日は俺の買い物に付き合って!
お願いします、まじで』

『『…………』』


俺とまるは顔を見合わせてため息をついた。

まぁ、別に暇だしいいけどさ。


増田とまるが後方を歩く中、俺は今朝届いた千花のメールをチェックしていた。


【映画の時間が3時からなんだけど、待ち合わせは何時がいいかな?洋平君に任せるから決まったら教えて】


週末の映画か…………。

千花とは普通にメールもするし、電話もしてる。
でも会うのはあの公園以来。

面倒くさい訳じゃないけど正直、気乗りはしてない




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