君はガラスの靴を置いていく



何発かは避けられても全部は無理だ。それに相手は6人もいる。


『宮澤っ!!』

その時、増田が前方から走ってきた。

助かった……とはまだ言えない。だって増田が喧嘩してる所なんて見た事ないし。


『だ、大丈夫か?今丸山が交番に行ってるから』

増田が俺に駆け寄ると、その後ろからバットが飛んできた。


『増田っち!!』

明日香の悲鳴のようなものが響いたけど、今は泣いたって誰も助けてくれない。

俺は男達を1人、また1人と殴り返しては殴られの繰り返し。増田も立ち上がって応戦してくれたけど、頭からは流血していた。

俺も普段喧嘩なんかしないし、平和主義って言ったじゃん。

頭クラクラしてきたし、本気でヤバいかも。



『こらーっ!!お前達そこでなにしてる!!』

俺達の限界が近付いてきた頃、まるが呼びに行った警察がやっときた。


『やべーサツだ。おい、行くぞ』

男達は警察を見るなり慌てて逃げて行った。


『ごめん、遅くなった。二人共大丈夫?』


『『大丈夫じゃねぇ』』

俺は初めて増田とハモってしまった。


『…う………みんなごめんね……っ…』

とりあえず明日香も無事だったし、後は警察が何とかしてくれるだろ。

とりあえず俺は疲れた。
二度と喧嘩なんかしねー。


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