君はガラスの靴を置いていく
└夏の終わり
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それから数日が過ぎ、千花との映画の日になった。待ち合わせ時間は前日に俺が決めた2時。
多分千花はお昼を一緒に食べて映画を見たかったんだろうけど、体の痛みはまだ取れていなかった。
『あれ、出掛けるの?』
1階に下りると、休日の母さんが居た。
『あー、』
俺がだるそうな返事をすると、いつもの冷ややかな目線が送られてきた。
『もうそんな傷作ってこないでよね。
まったく、誰と喧嘩してきたんだか』
そう言えば兄貴達もよく顔を腫らして帰ってきたっけ。母さんも俺の傷を見て『このぐらいなら病院に行かなくても平気だわ』とか平然と言うし。
まぁ、過保護にされるよりずっといいけど。
俺は電車に乗って待ち合わせ場所に向かった。いつもの事だけど千花は絶対俺より先に待っている。
『洋平君っ』
千花は夏期講習の時とは違い、可愛らしい服を着ていた。
『………か、顔どうしたの?』
俺の顔を見るなり千花は目を丸くした。
腫れは引いてきたけどまだ青アザは出来てるし、
千花が驚くのも無理はない。