君はガラスの靴を置いていく
└偶然のイタズラ
保健室に着くと先生は居なかった。なんか1時間くらい前に貧血で倒れた生徒がいたって言ってたけどそのせいかも。
俺は意味もなくベッドに寝転んだ。
このまま終わるまで寝てたいな……。つーか2回戦も勝っちゃったらどうしよう。増田のメンタルが低下してる事を祈る。
-----------------ガラッ。
その時静かに保健室のドアが開いた。
キュッキュっと上履きが擦れる音。俺は半分閉まってるカーテンに身を隠した。
…………あぁ、なんでだろうな。
ポツリと心の中で言った。
カーテンで顔は見えないし聞こえるのは何かを探す金属音だけ。それなのに摺り足のような足音を聞いてその人物が誰だか分かってしまった。
いつも自信なさげで歩幅の狭い歩き方。
あぁ、本当になんでなのかな。ため息をつくと同時にガシャンッ!と大きな音が響いた。
『………なにやってんの?』
せっかく隠れていたのに思わずカーテンを開けてしまった。