君はガラスの靴を置いていく
└恋の傷
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『みーや、おはよう!』
朝からうるさい明日香の声。暫く学校に来てなかったけどまた復活したらしい。
2学期は真面目にやるってどの口が言ってたんだか。
『1時限目、移動教室一緒じゃん!一緒に行こうよ』
明日香は2組だけど選択してる授業が同じだから移動教室の時は決まって一緒に行きたがる。
つーかまると増田は一緒なのに、なんで俺だけ別なの?なんで選択した授業がビジネス処理なんだよ?
まるいわく、選択する紙を俺が出さなかったから担任が人数少ないところに入れたんだって。
勿論、明日香も同じ理由。
『でもみやが居て本当に良かったよ。仲いい人居ないし、一人ぼっちになるところだった』
『いや、俺普通に友達いるし。3組の上田とか』
『あぁ、写真部の?ねぇ、私の写真とか出回ってないの?むしろ高値だったり?』
『いや、ねぇわ。全然、1枚も』
『は!?なにそれ』
俺の日常は変わってない。まるや増田とバカやって、こうして明日香の話し相手になって……
『千花ちゃん、生徒会の集まりの後どっかご飯でも食べにいかない?』
頻繁に2組を出入りする豊津先輩の姿。
何も変わってないはずなのに、
見える景色は少しずつ変わっていた。