君はガラスの靴を置いていく
『いいんだ、それでも』
振り向いてもらえなくても全力で何かをするって事がなかったから自分なりにやってみる。
今はこれしか言えない。
『まぁ、糸井さんの事を考えたら応援はできないけど……でも俺は宮澤の友達だから宮澤を応援する』
『まる……』
『先の事なんて分からないし、あの二人だっていつか別れるかもしれないしね』
まるが少しだけ背中を押してくれた。友達もあんまり多い方じゃないけどまるが愛想をつかず俺と友達でいてくれて本当に良かった。
『ねぇねぇ、なに話してんの~』
増田がいいタイミングで割り込んできた。何故か手には大縄持ってるし、廊下で何してたんだって感じ。
『あー、お前にはあとでな』
増田には事後報告じゃないとダメだ。すぐみんなに広まるし本人はバラしてるつもりじゃないけど嘘が付けないタイプだから。
『えー!気になる!ってか3人でバンドやらない?来年の文化祭とかどう?』
また突拍子のない事を………。
『ステージでバンドやるとモテるって言うじゃん。今年は3-1の男子がバンドやるんだって』
『3-1?』
『あー豊津先輩とか?すでにモテる人はバンド禁止とかにならないかな』
先輩がバンド?………まじか。
普通に千花にカッコいい所見せたいからに決まってんじゃん。文化祭が憂鬱になってきた。