君はガラスの靴を置いていく



少し探りを入れようとした瞬間、ステージが始まって大音量の音楽が流れてきてしまった。

芸能人でもないのに「わーっ!!」と歓声が起こって、素直に楽しめれば後で振り返れるいい思い出になるのかな…って思うけど、

もともとそんなキャラじゃないから仕方ない。


『俺ちょっと前に行って来るから!』


まどか先輩を見るなり増田はあの人混みへと消えていった。ある意味増田は相当、学生生活を満喫してるなって思うよ。


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まどか先輩達の演奏は誰もが知ってる有名な曲で地鳴りのように体育館の床が揺れていた。

3年は文化祭最後だし、ステージ発表したがるのも分かる。まぁ、来年俺がする事はまずないけど。


まどか先輩達のステージが終わると急に女子達がソワソワし始めてステージの前は隙間がないほど埋まっていた。


『次3-1だね』


明日香がそう言うとさっきの歓声とは比べ物にならないくらいの声が沸き上がって、それと同時にバンドを演奏する4人が出てきた。



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