君はガラスの靴を置いていく
└誰もがみんな
次の日俺は学校を休んだ。
仮病じゃない。単に風邪が悪化しただけ。
『まさかあんたが風邪ひくなんてね』
母さんが体温計を見つめながら笑っていた。
『……うるせーばばぁ。痛っ!』
息子が38.0℃の熱で苦しんでるのに思いっきりデコピンをされ「大人しく寝てれば治る」と市販の薬を置いて仕事に行ってしまった。
頭は痛いし体は熱い。
まるや増田からメールが届いていたけど、それすら返す気力はなかった。
昨日あんな事があって次の日休むとかカッコ悪すぎ。まぁ、クラス違うし千花は俺が居ない事にも気付かないか。
つーか、あの状況を見られた後で中途半端な気持ちじゃないって誰が信じるのかって話だ。
寝てたら勝手に入ってきただけってちゃんと弁解すべきだった?
そもそも千花と付き合ってる時に悠里と関係を持ったんだから俺なんて信用のカケラもないんだよ。
『はぁ……』
ため息をつきながら布団に潜った。