君はガラスの靴を置いていく
TIME OF REPEATEDLY 初めて
『調べものって何時までやるの?』
窓の外からは下校していく生徒達の声が響いていた
期末テストも終わったし夏休みは目前。みんな浮かれてんのが分かる。
『後、少しだけ』
多分、千花は俺が邪魔でもそう口には出せない。
それを分かってて居続ける俺って嫌な奴だよな。
『千花はどうだった?テスト』
黙々とノートを書いている千花を見た。
『うーん、今回はあまり良くなかったよ』
そう言った瞬間、俺は本の山の中に見覚えのある用紙を発見した。それは間違いなく答案用紙。
俺達の話しを聞き用紙が顔を出したみたいに、
グッドタイミング。
『-----------みっーけ』
勿論、それを発見して俺が見ない訳がない。
俺の手は千花の前を通り答案用紙へ。スッとそれだけ抜き取るとすぐに点数を確認した。
『………………げっ』
答案用紙は3枚あって、数学と英語と日本史。
どれも90点台でこんな点数はじめて見た。
『わ、ちょ、ちょっと………!』
千花が慌てて奪い取ろうとするが、俺は体を傾け阻止した。