君はガラスの靴を置いていく
『これのどこが良くないんだよ?俺なんてこの点数の半分以下だよ。いつも赤点ギリギリ』
自慢じゃないけど毎回どんなに頑張っても同じ点数しか取れない。成績なんて後ろから数えた方が早いし。
『そ、その三教科は良かったんだけど他がダメだったの』
絶対嘘だ。ダメって言ったってどうせ高得点。
千花って本当に中身も見た目通りだな。
『………も、もういいでしょ、返して』
千花の手が伸びてきたけど、俺は答案用紙を高く上げた。
『だーめ』
『もうっ………宮澤君!…………きゃっ』
千花が席を勢いよく立った瞬間、体勢を崩してそのまま俺の方に倒れてきた。
とっさに千花の体を支えると、俺の手は千花の胸下辺りを触っていた。
夏服だからか薄いYシャツからは触っただけで、
千花の肌の感触が分かる。
『………ご、ごめんなさい……』
千花はすぐに元居た場所に戻ったけど、顔はやっぱり真っ赤だった。