君はガラスの靴を置いていく
『千花はさ、体育倉庫で俺の事信じられないって言ったろ?俺もそう思うよ。そのぐらい色んな事遊び半分で考えてた』
─────あのさ、俺と付き合わない?
あの日の俺は遊びの延長だった。
手を繋いでキスをする事も千花の一挙一動が可愛くて、今思えばそれすらも楽しんでいた。
だから簡単に関係を切れた。
飽きたら次、飽きたら次ってそんな恋愛が普通だったから。
『いつだって本気じゃないって言われた時ムカついたけど“本気”ってなんなのか正直まだ分からない』
本気だってどれだけ口にしてもそれが真実かなんて答えはない。千花を想っていた間に嘘偽りはないけど先輩と比べたら俺は浅いのかもしれない。
『千花を大切に出来なかった事も泣かせてばっかりだった事も全部なかった事には出来ないけど、
もう一度俺にチャンスをくれないかな?』
『……』
『委員会が終わって、もし俺に可能性があるならあの神社まで来て欲しい。先輩じゃなくて俺の所に来て』
『……』
『あの場所で待ってるから』