君はガラスの靴を置いていく





『さぁ。でも仲はいいですよ、』


俺はあえて曖昧に答えた。

付き合ってないけど今、横取りされたら迷惑だし。


『先輩は、千花が好きなんですか?そういう噂ありますけど』


この場合、俺だけ答えるのはフェアじゃないだろ。別にライバルなんて思ってないけど。



『気にはなってるよ。千花ちゃんとは生徒会で一緒で、気配りもできるしいい子だなって』


欠点なしでおまけに生徒会かよ。

でも千花ちゃんって呼んでるって事はあまり進展してないんだな。俺と違って押し弱そうだし。

千花は奥手中の奥手だから、そんなんじゃ一生かかっても意識してもらえないよ。




『あぁ、生徒会ね。そう言えば今日委員会あるんですよね。さっき千花と視聴覚室に資料運んだんですよ』


『…………』


『でも女の子一人に運ばせるとかどうなんですか?まぁ、俺が一緒だったんで大丈夫でしたけど』



俺がそう言うと先輩は何も言えなくなっていた。

正直、こんな事を言わなくても問題なさそうだけど、排除できるものはしとかないと。

先輩も男だし、どこでスイッチが入るか分かんないから。




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