君はガラスの靴を置いていく




『別に嫌いじゃねーよ』


俺が投げやりに言うと、明日香はムッとした。



『嘘だ、私みたいな女大嫌いなくせに!』


いや、もう俺にどうしろって?

女って本当喧嘩すると意味分かんない事言うから嫌だ。



『まぁ、お前ワガママだし“うぜぇ”とか“面倒くせー”とかは思ってるよ?でも嫌いだったらこうして家に来ないし』


うざい、面倒くさい=嫌いではない。

時々、関わりたくないって思うだけ。



『………っ、みや、色々ごめんね』


明日香は再び泣き出しごみ箱はティッシュの山。
しかもマスカラで真っ黒だし。

明日香はチーンと鼻をかんだ後、ポツリと話し始めた。


『………私、すぐ男の人に依存しちゃうんだ。特に彼氏とかになると余計…』


明日香は端から見ても彼氏が出来れば、その人しか見えなくなって言われれば何でもするタイプだ。

嫌われたくないって言うより、好かれたいって感じ

だから良い様に利用されたり、尽くしすぎて捨てられる事が多い。付き合う奴が駄目男ばっかりって事もあるけど。俺も含めてね。



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