君はガラスの靴を置いていく
それから暫くして増田の家に二人の女がやって来た。増田と同じ中学で過去に何回か一緒に遊んだ事がある。
『あー、洋平に丸山君じゃん!久しぶり』
『1年ぶりぐらい?みんな全然変わってなーい!』
このテンションで察しの通り、超ギャル二人組。
私服の露出度は明日香を上回るかもしれない。
『言っとくけど君達の洋平君は彼女出来たからね?俺は全然募集中だけど』
増田はまだ若干やさぐれている。
確かこの二人の名前は優菜と春香だったっけ。見た目がみんな同じだから記憶がゴチャゴチャになってる。
『洋平の彼女ってどんな子?』
俺の隣に座ってきたのは優菜。性格は明日香と似ていて友達だと楽だけど彼女にすると面倒なタイプ。
『すごい可愛い子だよ。清純派って感じで』
俺の代わりにまるが説明してくれた。
『清純派?じゃぁ、こうして女の子と遊んでるって知ったら彼女泣いちゃうんじゃない?』
いや、俺は増田の家に来ただけだし女子を呼んだのも俺じゃない。それに浮気はしない主義だし。
面倒な事嫌いだから。
『優菜も春香もたまにはナチュラルメイクしてみてよ!意外にいけそうじゃね?』
『意外にとか増田に言われたくないし!つーかその金髪なに?超ウケる!』
この二人も暇だから来ただけで増田には興味がなさそう。ってか呼ぶ女間違ってるだろ。彼女目的ならこのノリの奴は駄目だって。
-----------と、その時、俺の携帯がポケットで鳴った。画面には着信【千花】と表示されていた。