青春ラバー
はめられた…。

こいつら、俺と理緒の反応見て楽しんでやがる。



でもそういうことなら…、

「嫌われる?
んなわけねぇじゃん。

だって理緒俺のこと好きだもんな?」



そう言って顔を覗き込む。

案の定理緒は抱きついてきていた手を離して俺と距離をおこうとしているが、

俺はそれを阻止するべく理緒に手をまわす。


「えっ、ちょっ…
離して?」

困惑顔の理緒。

「やだ。
だって俺、里緒のこと好きだもん。

理緒も俺のこと好きって言って?」

理緒を抱く手に少し力を入れる。


俺は今までに出したことのないくらい優しい声を出した。

普段は、理緒の前だと余裕が無くなってそっけない態度だったからかなり変な感じがするけど。

手をつなぐときは手汗が気になるし、さっきねノックだって目が合った気がしたら緊張しまくって自滅したし…。
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