青春ラバー
「そっか…。

じゃあ、片付けしようか。


みんな、今日は終わりだって~!」


みんなは少し嫌そうな顔をしたけど、すぐに片付けに入った。


みんな理由も分かってるし、文句言ったってどうにもならないことも知ってる。


あーぁ。

悩んでるときこそ野球したかったんだけどな。


「……尚人くん?」

ん?なんか声が聞こえた気が…?


「あ~、夏來さん!

俺の活躍見てくれた~?」


フェンスの向こうにいる彼女に、尚人が元気よく手を振る。


夏來さんこと清水さんは俺と同じクラス。

おっとりしてて、線が細い感じで野球部で色黒の俺には何か近づきにくい存在だった。

現に、男が苦手らしいけど。
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