年上の男
「何か用ですか?」
男の人の声がして、振り向くと・・・
「あ、矢崎さん」
矢崎さんが立っていた。
「ん?」
不思議そうな顔をする。
「あの、前に蜂の巣をとりにきてもらった、藤崎です」
「ああ・・・こんにちは」
良かった。
記憶には残っているみたい。
「こんにちは!お仕事ですか?」
「・・はい。そちらは?」
当たり前だろ・・・と言わんばかりの顔。
「登校日だったので・・・」
「そうですか。・・・では・・・」
相手をするのが面倒くさそうに言ってるのが分かった。
「あの・・・」
「ん?」
「これって運命でしょうか?」
ああああ・・何乙女なこと言ってんの私。
「は!?・・・・偶然だと思いますが・・・」
・・そのとーり!
私の言葉に呆れたように笑って、車に乗り込み行ってしまった。
その少し笑った笑顔に・・・またドキドキする。
やっぱり、私は矢崎さんが好きらしい。
今日会ったことで、その気持ちを確信した。