年上の男
始めはやっぱり
「何から見るの?」
「綿飴!」
「わたあめ・・・」
「あれ?甘いの嫌いですか?」
「いや、嫌いではないけど、綿飴は・・・砂糖だよね・・・」
甘いのダメなんじゃん。
「いいんです。お母さんにお土産なんです」
「あ、そう?それなら俺がお母さんに買ってあげるよ」
「ええ?そ、それはちょっと困ります」
「なんで?」
そう言いながら綿飴のおじさんに
「このピンクのやつ2つ」
と、2個買って、
「はい」
と、渡してくれた。
「え?なんで?」
「食べるんでしょ?」
「あ、はい!」
嬉しい。
「ありがとうございます」
「いえいえ・・・」
「なんですか?」
「いや、楽しそうだなって思ってさ」
「楽しいですよ?」
「そ?」
「はい」
私も矢崎さんも笑顔で、夏祭りを過ごしていた。