年上の男
玄関で立ち話を始めた。
「こんなところで何してんだよ」
「え?ここ、私の家」
「は?マジ?」
「マジ・・・そして柊子は私の妹」
「え!?マジ?」
「まじまじ」
初めて矢崎さんが普通に話すのを聞いたかも。
「何?今日の相手って秋仁なの?」
「・・・そうだよ」
「なんでまた・・・・」
「色々あってな」
「・・・ふ~ん。・・・ちょっと・・・」
お姉ちゃんは矢崎さんを連れて少し奥へ。
私に聞かれちゃまずい話?
こそこそと2人で話している。
・・・・気になる。
すご~く気になる・・・。
少しすると
「じゃ、よろしく」
お姉ちゃんが矢崎さんの肩を叩きながら、戻ってきた。
ちょっとだるそうに来る矢崎さん。
「柊子ちゃん乗って・・」
名前!初めて呼ばれた!!
ちょっと・・・かなり嬉しい!!
「あ、はい。じゃ、お姉ちゃん行って来るね」
「いってらっしゃい」
「あ、お母さんには言わないでよ・・」
「はいはい。じゃ、秋仁、くれぐれもよろしく」
窓から覗くお姉ちゃんに
「あいよ~」
面倒くさそうに答えて、車を走らせた。