年上の男


車の中で話をする。

「お姉ちゃんを知ってるんですか?」

「あ、ああ・・・夏穂とは高校が一緒でさ・・・あいつの彼氏が俺の友達だったから自然と話すようになった。・・・まさか妹だとは・・・」

「高校時代の彼氏って・・・須藤さん?」

「おお。雷太(ライタ)のこと知ってんの?」

「はい、お姉ちゃんが高校の時、何回か家に遊びに来てたから・・・」

「そっか」

「元気なんですか?須藤さん」

「うん、元気にバリバリ働いてる」

「そうですか」

懐かしいな。

良く家に遊びに来ては、一緒に話をしてくれてたっけ。

卒業する頃には別れたって言ってたから。

それっきり会えなくなっちゃったけど。



「それより、今日は遊園地でいいの?」

「はい!一度行ってみたくて。1人で行けないし・・・友達は高所恐怖症だから絶対行かないって言われて・・・」

「そっか。絶叫マシーン乗れる?」

「乗れますよ~。それが1番の目的なんです~。矢崎さん乗れるんですか?」

「俺も大好きなんだよね~」

『大好き』にキュン。

自分が言われたわけでもないのに・・・。

「へぇ~。じゃあ楽しみましょうね~」

「あいあい~」


お姉ちゃんが来てくれて、なんだか緊張が取れたみたいに、矢崎さんは普通になって行った。

それにつられるように私も普通に話が出来た。






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