年上の男


「ありがとう」

「え?」

「俺を・・・好きになってくれて、ありがとう」

矢崎さん。

「でも、ごめんな。今はその気持ちに答える事は出来ない」

まっすぐに私をみる。

「・・・はい。なんとなく・・・わかってました」

泣くのは卑怯だって思ってた。

だけど、一度溢れた涙は止まらなくて。

「嬉しかったよ。柊子ちゃんの気持ち」

「・・・うん」

矢崎さん。

本当に大好きなんです。

大好きです。

「私も・・・」

「ん?」

「矢崎さんを好きになって良かった」

本当だよ。

「うん。ありがと」

「また、メールしてもいいですか?」

「いつでも、どうぞ」

関係が切れるわけじゃない。

「また、ドライブ連れて行ってくれますか?」

「時間があれば、いつでも」

「・・・ありがとう」

頭をくしゃっとしてくれて

「帰るか・・・」

「・・・はい」

矢崎さんと私は、少し砂浜を歩いて・・・車に乗った。






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