年上の男
「ただいま・・・」
お母さんが帰ってきたことも気がつかず、私は彼の行動に夢中になっていた。
「何みてるの?」
急に近寄ってきたお母さんに
「おあっ!?」
ビックリした。
「え・・・何って・・・あの人・・」
私が指差す方向にいたのは
「あ~、蜂の巣とってるところ・・・凄いわよねぇ。あんなにブンブン周りに蜂がいるのに・・・怖くないのかしら・・・」
確かに!
怖くないのかな?
それとも慣れてるから?
そんな会話をしているうちに、矢崎さんという人は簡単に蜂の巣をとってしまった。
「あ~、もうとっちゃったのね・・・早業・・・」
お母さんと私は感心してしまった。
蜂の巣をとった矢崎さんは、車に戻っていく。
「あ、お茶入れましょうね」
お母さんがキッチンに麦茶を入れに行ったとき、玄関のインターホンがなった。
「はい」
「あ、蜂の巣駆除終わりましたので・・」
「あ、はい」
私は玄関に向かい、ドアを開けた。
そこには汗だくになってる矢崎さんと、小さな鞄を持った男の人が立っていた。