雪月花~死生の屋敷
そんな中でもユキちゃんは表情を少しも変えることなく、平然としている。迷彩服の男が懇願しようがおかまいなく、力を緩めている気配もなかった。
「やっぱり自分で消えなくて良いよ。私が消してあげる…しばらく反省して」
ユキちゃんがそう呟くと、突きだしていた手を勢い良く振り下げた。すると、迷彩服の男の身体は、真っ二つに引き裂かれた。
身体の断面からは血が大量に吹きでており、辺り一面を半透明な血液で覆い尽くすほどの勢いだった。
実はそこから先の光景は、私も覚えていない。
あまりにも非現実的で衝撃的な光景に、私の意識が耐えられなかったのです。
降りかかる血液を身に感じながら、私は意識を手放してしまった。
あの日…。
私は初めて男の人に告白をしたんだったかな。
中学3年生の頃。私は竜也君に告白する為に…。
孝也を利用したんだった。
「…おねぇちゃん?」
夢を見ていた。甘い記憶の中から、忘れようと思っていた記憶の中の夢…。
子供だった私が、知らずにしていた悪意なき悪意。人が大好きで、人と触れ合うのが一番大好きだった私が、鈍感ゆえにしてしまった行為。
そんな出来事の夢を何故か見ていた…。
そして…ユキちゃんの声で私は目を覚ました。
「ここは…えっとっ。確か…軍人さん!」
確か迷彩服の男が、私達の前に現れて襲われて…ユキちゃんが。
「あれ…血が付いてない」
私の記憶が確かなら、多量の血が服に付いたはずだった。でも私の体には血は付いてないし、血の匂いも全くしない。
あれも…夢だったのかしら?
「血は消えたよ…消したからね」
ユキちゃんは、私の疑問にすんなりと答える。と言う事は…夢ではないと言う事になってしまう。
「やっぱり自分で消えなくて良いよ。私が消してあげる…しばらく反省して」
ユキちゃんがそう呟くと、突きだしていた手を勢い良く振り下げた。すると、迷彩服の男の身体は、真っ二つに引き裂かれた。
身体の断面からは血が大量に吹きでており、辺り一面を半透明な血液で覆い尽くすほどの勢いだった。
実はそこから先の光景は、私も覚えていない。
あまりにも非現実的で衝撃的な光景に、私の意識が耐えられなかったのです。
降りかかる血液を身に感じながら、私は意識を手放してしまった。
あの日…。
私は初めて男の人に告白をしたんだったかな。
中学3年生の頃。私は竜也君に告白する為に…。
孝也を利用したんだった。
「…おねぇちゃん?」
夢を見ていた。甘い記憶の中から、忘れようと思っていた記憶の中の夢…。
子供だった私が、知らずにしていた悪意なき悪意。人が大好きで、人と触れ合うのが一番大好きだった私が、鈍感ゆえにしてしまった行為。
そんな出来事の夢を何故か見ていた…。
そして…ユキちゃんの声で私は目を覚ました。
「ここは…えっとっ。確か…軍人さん!」
確か迷彩服の男が、私達の前に現れて襲われて…ユキちゃんが。
「あれ…血が付いてない」
私の記憶が確かなら、多量の血が服に付いたはずだった。でも私の体には血は付いてないし、血の匂いも全くしない。
あれも…夢だったのかしら?
「血は消えたよ…消したからね」
ユキちゃんは、私の疑問にすんなりと答える。と言う事は…夢ではないと言う事になってしまう。