雪月花~死生の屋敷
虚無とは言葉の通りの意味だろう。心を空にし、雑念が抜けた状態…。
ユキちゃんの言葉を聞くと、過去を鮮明にすると何かが起きる事を言っている気がする…。
心を鮮明にする事に何の意味があると言うのかしら。
「ねぇユキちゃん?私は具体的に何をすればいいのかしら?」
頂上がないと言うのなら、これ以上、上に進む必要性はない。なら私は具体的に何をすれば良いのかをユキちゃんに確かめる必要がある。
「それはね……ここから飛び降りるの」
ユキちゃんは螺旋状の通路のど真ん中を指差した。そこにあるのは空洞になっている空間。つまりは下の広場に直接繋がっているであろう場所を指差したのだ。
「あの…ユキちゃん?そこから飛び降りたら、私死んじゃうと思うんだけど」
それこそ三日間も上り続けているのだから、どれだけの高さがあるか分かったものではない。落ちたら間違いなく死ぬ…。
つまりは自殺すれと言ってるのかしら。
「あのね、死なないようにする為に登ったの。おねぇちゃんは死なないの…」
ユキちゃんは必死にそう言ってきた。
私とユキちゃんの会話が全くかみ合ってない。
私はどうしたものかと少し途方に暮れていると、思わぬ形で助け船が舞い降りた。
「お困りの様ですね鳴海さん。ここは私の出番でしょうか…」
必死に思案を巡らしていた私の耳に声が聞こえてきた。
急いで振り返ったのですが、周りにはユキちゃん以外、誰もいない。というよりもこの声には聞き覚えがあった。
「失礼ながら先ほどのお話を聞かせてもらいました。私ですよ鳴海さん…色武です」
「色武さん??」
私が声を出してそう聞いたものの、周りには誰もいない。ユキちゃんも私の様子を見て、周りに目を配りながら首を傾げている。
ユキちゃんの言葉を聞くと、過去を鮮明にすると何かが起きる事を言っている気がする…。
心を鮮明にする事に何の意味があると言うのかしら。
「ねぇユキちゃん?私は具体的に何をすればいいのかしら?」
頂上がないと言うのなら、これ以上、上に進む必要性はない。なら私は具体的に何をすれば良いのかをユキちゃんに確かめる必要がある。
「それはね……ここから飛び降りるの」
ユキちゃんは螺旋状の通路のど真ん中を指差した。そこにあるのは空洞になっている空間。つまりは下の広場に直接繋がっているであろう場所を指差したのだ。
「あの…ユキちゃん?そこから飛び降りたら、私死んじゃうと思うんだけど」
それこそ三日間も上り続けているのだから、どれだけの高さがあるか分かったものではない。落ちたら間違いなく死ぬ…。
つまりは自殺すれと言ってるのかしら。
「あのね、死なないようにする為に登ったの。おねぇちゃんは死なないの…」
ユキちゃんは必死にそう言ってきた。
私とユキちゃんの会話が全くかみ合ってない。
私はどうしたものかと少し途方に暮れていると、思わぬ形で助け船が舞い降りた。
「お困りの様ですね鳴海さん。ここは私の出番でしょうか…」
必死に思案を巡らしていた私の耳に声が聞こえてきた。
急いで振り返ったのですが、周りにはユキちゃん以外、誰もいない。というよりもこの声には聞き覚えがあった。
「失礼ながら先ほどのお話を聞かせてもらいました。私ですよ鳴海さん…色武です」
「色武さん??」
私が声を出してそう聞いたものの、周りには誰もいない。ユキちゃんも私の様子を見て、周りに目を配りながら首を傾げている。