雪月花~死生の屋敷
雪が降っているのに花が咲いているのは普通に考えておかしい。
木々は葉をを付けているのに、雪が降っているのはもっとおかしい。
私はその場にしゃがむと、雪を手で取ってみた。
「冷たくない…それに溶けない」
冷たさを感じさせるはずの雪は、私に冷たさを感じさせなかった。それどころか溶けもしないのだ。
「一体なんなのこれは…」
一人なので自然と独り言を漏らしてしまうわたし。夜の闇に月灯りの光だけが照らしているこの場所で、私はなぜか恐怖の様な感情は感じなかった…。
ただ寂しい気持ちを感じてしまう。
「おやおや…外からの訪問者とは珍しい」
私の背後から突然声が聞こえてきた。急いで後ろに振り返った私の目の前には、着物の袖に腕を差し込んで立っている青年が居た…。
「誰で…しょうか?」
しどろもどろに私は、目の前の青年に話しかける。
「驚かしてしまいましたね。私は色武(シキブ)と申します。お嬢さんの名前も伺ってよろしいですか?」
袖に腕を通した状態で色武と名乗る青年は、軽く頭を下げた。
「私は成海静と言います。ところで色武さんは、ここがどこなのか知っていますか?」
見た感じ私よりも年下の青年に、お嬢さんと呼ばれ、不思議に感じながらも私は、色武という青年に聞いてみた。
色武は私の質問に笑顔を返すと、目の前の建物とは違う方向に指をさした。
「知っていますよ。ですが立ち話もなんですから、私が住んでいる場所でゆっくりと話をしましょう…この場所での立ち話は少々危険でございます」
「危険?」
色武は、はいと答えると私を先導し歩き出した。取りあえず私は色武の後ろを着いて行く事にした…他に頼るあてもないし。
木々は葉をを付けているのに、雪が降っているのはもっとおかしい。
私はその場にしゃがむと、雪を手で取ってみた。
「冷たくない…それに溶けない」
冷たさを感じさせるはずの雪は、私に冷たさを感じさせなかった。それどころか溶けもしないのだ。
「一体なんなのこれは…」
一人なので自然と独り言を漏らしてしまうわたし。夜の闇に月灯りの光だけが照らしているこの場所で、私はなぜか恐怖の様な感情は感じなかった…。
ただ寂しい気持ちを感じてしまう。
「おやおや…外からの訪問者とは珍しい」
私の背後から突然声が聞こえてきた。急いで後ろに振り返った私の目の前には、着物の袖に腕を差し込んで立っている青年が居た…。
「誰で…しょうか?」
しどろもどろに私は、目の前の青年に話しかける。
「驚かしてしまいましたね。私は色武(シキブ)と申します。お嬢さんの名前も伺ってよろしいですか?」
袖に腕を通した状態で色武と名乗る青年は、軽く頭を下げた。
「私は成海静と言います。ところで色武さんは、ここがどこなのか知っていますか?」
見た感じ私よりも年下の青年に、お嬢さんと呼ばれ、不思議に感じながらも私は、色武という青年に聞いてみた。
色武は私の質問に笑顔を返すと、目の前の建物とは違う方向に指をさした。
「知っていますよ。ですが立ち話もなんですから、私が住んでいる場所でゆっくりと話をしましょう…この場所での立ち話は少々危険でございます」
「危険?」
色武は、はいと答えると私を先導し歩き出した。取りあえず私は色武の後ろを着いて行く事にした…他に頼るあてもないし。