雪月花~死生の屋敷
色武に案内されて着いた場所は、簡易作りの小屋だった。必要なもの以外は何も置いていない質素な小屋。
その場所に着いた私は、色武に案内されるがまま簡易テーブルの前に座り込む。
「さて…外から来たらしいですが、どうしてこの場所に来られたのですか?」
「えぇっと…気がついたらこの場所に居たんです」
それ以外の理由が分からない私は、素直にそう答える。
「なるほど…あっすいませんでした。客人に茶の一つも出さないのは失礼ですね。いま用意いたしますので、少々お待ちください」
色武はいきなりそう言いだすと、急いで火を起こしに行き、湯を沸かしだした。私が別にいいと言う前に行ってしまったので、私は色武を止める事すらできなかった。
しばらく私が待つと、色部は湯呑に入った飲み物をおぼんに乗せ、私の目の前に現れた。
「茶菓子がないのが残念ですが、お許し下さい…」
「とんでもないですっ…頂きます」
私は目の前に置かれた湯呑を手に取り、口に含む程度にお茶を喉に通した。お茶は不思議な香りがするが、味は普通のお茶より苦みが少なく、非常に美味であった。
「これはこの場所に咲く月見花を煎じて作る茶にございます。苦味が少なく、心を落ち着ける効果のある茶なのですよ…どうですか?」
「非常においしいです。何だか懐かしい味って感じです」
「そうですか。喜んで貰えてうれしく思います」
色武は終始ニコニコ笑いながら、私の顔を見ていました。私は見られているためか、少し心地悪さを感じながら取りあえずお茶を啜っていました。
「それでは先ほどの質問に答えましょう…ここは雪月花と言う屋敷にございます」
「雪月花…ですか」
確かにこの場所は、雪月花の名にふさわしい場所だと思う。雪と月と花が混在しているこの場所は、解りやすいほど雪月花な場所だ。
その場所に着いた私は、色武に案内されるがまま簡易テーブルの前に座り込む。
「さて…外から来たらしいですが、どうしてこの場所に来られたのですか?」
「えぇっと…気がついたらこの場所に居たんです」
それ以外の理由が分からない私は、素直にそう答える。
「なるほど…あっすいませんでした。客人に茶の一つも出さないのは失礼ですね。いま用意いたしますので、少々お待ちください」
色武はいきなりそう言いだすと、急いで火を起こしに行き、湯を沸かしだした。私が別にいいと言う前に行ってしまったので、私は色武を止める事すらできなかった。
しばらく私が待つと、色部は湯呑に入った飲み物をおぼんに乗せ、私の目の前に現れた。
「茶菓子がないのが残念ですが、お許し下さい…」
「とんでもないですっ…頂きます」
私は目の前に置かれた湯呑を手に取り、口に含む程度にお茶を喉に通した。お茶は不思議な香りがするが、味は普通のお茶より苦みが少なく、非常に美味であった。
「これはこの場所に咲く月見花を煎じて作る茶にございます。苦味が少なく、心を落ち着ける効果のある茶なのですよ…どうですか?」
「非常においしいです。何だか懐かしい味って感じです」
「そうですか。喜んで貰えてうれしく思います」
色武は終始ニコニコ笑いながら、私の顔を見ていました。私は見られているためか、少し心地悪さを感じながら取りあえずお茶を啜っていました。
「それでは先ほどの質問に答えましょう…ここは雪月花と言う屋敷にございます」
「雪月花…ですか」
確かにこの場所は、雪月花の名にふさわしい場所だと思う。雪と月と花が混在しているこの場所は、解りやすいほど雪月花な場所だ。