雪月花~死生の屋敷
「この場所は死した魂が来る場所でもあるのです。実態なき姿を留める事が出来る屋敷…それが先ほどの屋敷『雪月花』なのです」
実態なく姿を留める場所??
「それは一体…死した魂の帰る場所って何ですか?」
色武は私の質問に答えてくれているのは解る。でも、理解しずらい話をスラスラ語られても理解出来ない。
「簡単に言えば、あの屋敷は死後の世界の一つなのでございます。死した魂は人の体を離れ、肉体と共に滅びるのが定め…しかし魂が滅び、身体だけ生きる事と同じく、肉体が滅びても魂が生きる事がございます。それが霊魂と呼ばれる存在でございます」
色武が詳しく説明をしてくれているが、私はますます混乱してしまった。
まず霊魂という存在を私は信じていない。今まで幽霊などの存在を見た事のない私は、色武の話が作り話にしか聞こえないのだ。
「…信じられないと言った感じですね」
そんな私の様子を察したのか、色武はそう切り出してきた。
「はい…とても信じられません」
理解する気はある。でも信じられないものは信じられない…。
「百聞は一見にしかずですね…こちらに来て頂けますか?」
色部はそう言うと、その場から立ち上がり、小屋の出口の方に歩きだした。私は色部の後に着いて行き、色武の後から小屋から出る。
「この場所なら安全です。雪月花の窓を見て下さい…」
外に出て、少し歩いた場所で立ちどまった色部は、遠くにある雪月花を指さした。私は色武に言われた通りにそちらに視線を向け、じっくり観察をしてみる。
「…っ!?」
見えた…見てしまった。
さっき雪月花の前に居た時は、居なかったのに今は居る。
実態なく姿を留める場所??
「それは一体…死した魂の帰る場所って何ですか?」
色武は私の質問に答えてくれているのは解る。でも、理解しずらい話をスラスラ語られても理解出来ない。
「簡単に言えば、あの屋敷は死後の世界の一つなのでございます。死した魂は人の体を離れ、肉体と共に滅びるのが定め…しかし魂が滅び、身体だけ生きる事と同じく、肉体が滅びても魂が生きる事がございます。それが霊魂と呼ばれる存在でございます」
色武が詳しく説明をしてくれているが、私はますます混乱してしまった。
まず霊魂という存在を私は信じていない。今まで幽霊などの存在を見た事のない私は、色武の話が作り話にしか聞こえないのだ。
「…信じられないと言った感じですね」
そんな私の様子を察したのか、色武はそう切り出してきた。
「はい…とても信じられません」
理解する気はある。でも信じられないものは信じられない…。
「百聞は一見にしかずですね…こちらに来て頂けますか?」
色部はそう言うと、その場から立ち上がり、小屋の出口の方に歩きだした。私は色部の後に着いて行き、色武の後から小屋から出る。
「この場所なら安全です。雪月花の窓を見て下さい…」
外に出て、少し歩いた場所で立ちどまった色部は、遠くにある雪月花を指さした。私は色武に言われた通りにそちらに視線を向け、じっくり観察をしてみる。
「…っ!?」
見えた…見てしまった。
さっき雪月花の前に居た時は、居なかったのに今は居る。