ひとつのせかい
春、真っ盛りの四月。


私はとても楽しくない高校デビューを飾った。

辛く、悲しく、

心が壊れていた。



下駄箱31番 "雅野 知穂"。

私の上履きは、ずたずたに刃物か何かで裂かれている。

教室へと向かう私の足。

私の足は絆創膏と湿布と痣(あざ)で埋め尽くされている。
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