伊勢物語 ~狩りの使ひ~
第2章 伊勢入り
*男side*
カポ、カポ、カポ―。
昨日の昼過ぎに出発し、夜は野宿、そしてまた今朝からこうやって伊勢へ向かっている。
「平作、疲れてはおらぬか?」
俺の乗っている馬をひく平作に聞いた。
平作は、ずっと、俺の手伝いをしてくれている。とても、気のきくやつで、心強い。
「へい!大丈夫っす!こんなの、へのかっぱっす!!!」
平作はニカッと笑ってみせた。
「うむ、そうか。もうすぐで着くはずだが、きつくなったらちゃんと言うんだぞ?」
―あと、もうすぐだ。伊勢神宮。