伊勢物語 ~狩りの使ひ~
そしてそれから
一度休憩をとり、
また出発し
日が傾き始めたころ―。
「着いた....。ここが伊勢神宮....。」
――すごい。噂にはきいていたが...。なんというか、空気が違う....。素晴らしい...。
俺が伊勢神宮の空気を感じていると、
「親方。」
平作が指差す方を見ると、大きな鳥居の下で、まだ幼さの残る女子が立っていた。
その女子は、俺達に気づくと、近づいてきた。
「長旅お疲れ様でした。私は、今回お世話をさせて頂きます、花と申します。斎宮様からお話は聞いています。斎宮寮はここから少し離れたところにございます。大変お疲れだとは存じておりますが、あと少しだけご辛抱ください。
」
「いや、構わぬ。」
「それでは、ご案内致します。」
それから、俺たちは花に連れられ、斎宮寮へ向かった―。