褪せない花









「んあ…?」

目を覚ますと、アスカがいなかった。
目に眩しい光が差し込んでいることから、自分がかなり長く寝てしまったと想像がつく。


― どけてってば

彼女の声はうっすらと聞こえていた。
それでも体が動かなかったのは、果たして本当に眠かっただけだろうか。

まさか、な。

浮かびそうだった想いを否定して、イズナは大きなあくびをする。


とりあえず、謝りに行くか。



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