褪せない花
「大好き、イズナ」
好きじゃないよ、大好き。
あと、「愛」なんて似合わない言葉使うのやめなよ。
花火だから、たくさん文字は使えなかったんだろうけど。
こんなに花火がきれいに見えるのもきっと、これがイズナの造った花火だから。
「ほんとか…?」
「うん。ほんとだ、よ…」
彼の顔を見上げて後悔した。
気持ちを打ち明けてしまった今、イズナがすごくすごくかっこよく見えて。
一気に体温が上昇する。
「や…、やっぱ何でもない!」
逃げようとする身体を、彼が押さえつける。
肩をぐいっと引っ張られて、よろめきながら納まったのは彼の腕の中。
「なぁ、アスカ」
「な、何…っ」
恥ずかしい、恥ずかしい。
こんな顔、見られたくない。