褪せない花


きっとこれからも、きれいだと思うものはたくさんある。

そのたびに色は重なっていくんだろうけど、それでも――。



この花だけは、褪せずに残っているんだろう。


「また見たい。イズナの花火」


唇が離れた後につぶやくと、彼は花火のように威勢のいい笑顔で胸を張って見せた。

「任せろ!」






君が隣にいる限り、この花は明日も明後日も変わらないんだろうね。



end
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