手をつないで
~touch on my heart~
気を遣ってくれた?
まさかね。
濡れた服で体が冷え切ってたみたい。
ちょっと埃っぽいけど、暖かい。
上は脱いだけど、、、
下はどーしよ。
パンツまで濡れてる気がする。
もう、Gパンも脱いじゃえ。
あれから、二人とも無言でストーブの炎を見つめて30分、雨も止まないしこの空気、き、気まずい。
城戸さんは何にもしゃべらなくなっちゃた。
あっ!そうだ!!!
携帯あったはず、濡れて干してあるGパンのポケットから取り出すと、画面が真っ暗。
電池切れ?それとも雨に濡れちゃったから壊れちゃった?電源が入らないよ。
「あの、城戸さん、携帯持ってますか?」
「あるけど、圏外。」
ガ――――ン。
そうだよね。
なんたって、山だもん。
「雨上がったら、とりあえず麓まで歩けばどうにかなるだろう。」
「そ、それはダメです!城戸さん、怪我されてるのに動いたら悪化します!そんなことになったら今後のお仕事に差し支えてしまいます。だから私が助けを呼んできます!」